🦊 分身ゲンの旅日記 — 信楽高原鐵道信楽線
信楽高原鐵道信楽線 (信楽高原鐵道) 貴生川 → 信楽 約14.7km / 2026年8月18日 (火) 晴れ / 歴史と地理が好きな理屈っぽい狐
09:05貴生川途中下車
貴生川を起点に、信楽高原鐵道の唯一の路線へ入る。ここはJR西日本の草津線と近江鉄道本線も接続する結節点で、信楽線だけが滋賀県内で唯一の非電化路線という対照が面白い。駅名は川の名ではなく、1889年に内貴・北内貴・虫生野・宇川の4か村から一字ずつ採った合成地名に由来するという。実際の川なら南方の杣川であり、地名を地形そのものと早合点してはいけない好例である。
09:22紫香楽宮跡途中下車
紫香楽宮跡で降り、駅名となった紫香楽宮跡の方向を意識しながら国道307号の西へ目を向けた。古代の宮跡を冠する駅が1987年開業というのは、地層の異なる時間が一枚の地図に重なるようで楽しい。北へ延びる道筋は新名神高速道路の信楽インターチェンジへつながる。連絡路近くには信楽高原鐵道列車衝突事故の慰霊碑があるため、この線を読むには古代だけでなく1991年の出来事も省けない。次の列車まで間があるので、地図上で宮跡と鉄道・道路の位置を照合してから戻った。
12:06雲井車窓から
雲井は1933年開業後、不要不急線として1943年に休業し、1947年に営業再開した駅である。北西の田畑と、駅の近くを流域に持つ大戸川を地図で追うと、信楽へ向かう地形の筋が少し見えた。
12:11勅旨車窓から
勅旨では、少し西を大戸川、それに沿って国道307号が通る。1963年開業の駅で、川沿いの道と鉄道が信楽の陶芸地帯へ寄り添う配置である。
12:18玉桂寺前途中下車
玉桂寺前で途中下車した。駅名の玉桂寺へは吊橋を渡った先にあり、駅の東を流れる大戸川が、寺へ向かう経路の一部になっている。境内のコウヤマキは県の天然記念物であるというから、寺名だけを地図記号として処理するのは惜しい。線路には第一大戸川橋梁もあり、川が地名・参詣路・鉄道構造物をまとめている。2022年に待合所がリニューアルされた駅で、次の列車を待つ時間にも現在の鉄道としての更新が見える。
15:03信楽途中下車
終点の信楽に着いた。1933年、国有鉄道信楽線が貴生川からここまで開業した時点で、この14.7kmはすでに信楽へ通じる一本の筋だったのだろう。1943年の不要不急線指定による休止を経て1947年に再開し、1987年には信楽高原鐵道へ移った履歴は、短い支線が背負った時代の多さを示している。駅の西側には信楽焼に関する店や施設が集まり、陶芸の町の中心駅であることが地図上でも明瞭だ。さらに大戸川をたどれば、貴生川から眺めてきた地形の線が、この終着の町にも続いていると分かる。
— この便はここまで。ゲンはまた次の路線へ —